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Dizzy Sunfist / rem time rem time
UNLIMITS / XERO FICTION
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rem time rem time / SpecialThanks
UNLIMITS / XERO FICTION
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rem time rem time / SpecialThanks
UNLIMITS / XERO FICTION
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--もはや説明不要でお馴染みな人もたくさんいるでしょう、5月に新作『heavenly』のリリースも控えているSpecialThanksについてはいかがですか?
Jun Gray オレが入ったばっかりのKen Bandがいちばん最初に作った『The Best New-Comer Of The Year』っていうオムニバスがあって。そこにSpecialThanksは参加してもらってるから、そのときから一緒にやってる仲なんですよね。だから、前回のコンピでも候補としては自分の頭の中にあったけど、「前もやってるからいいかな」っていう流れがあって。
--収録したいのは山々だけど、オムニバスやコンピという形式なこともあり、イメージが重なることもあるかもしれませんしね。
Jun Gray ただ、そこから2年も経って、SpecialThanks自体も音楽性がどんどん広がってきたし、メンバーも新しくなってて。もちろん、音源はチェックしてるから、音がどんな感じになってきたかも知ってたし、タイミング的にも今回はいいんじゃないかなと。そういう想いがありましたね。
--SpecialThanksは新しい扉が開いてる時期でもありますしね。今のバンドが持つ色を幅広く知ってもらえるいい機会だと感じました。
Jun Gray 昨年リリースしたフルアルバム『missa』から日本語の曲も増えてきたじゃないですか。で、misaki節っていうか、英語の曲は今まで風に歌ってるんだけど、不思議なことに日本語の曲は大人っぽく、お姉さんっぽく聴こえたんですよ。「こういう歌い方になるんだ!?」っていう驚きがあって。
--あ~、たしかにそうですね。英語の曲はキレがいい飛び方をしてますけど、日本語の曲は語りかけるようなニュアンスもありましたし。
Jun Gray ただ、このコンピに収録した曲は日本語詞なのに、また違った歌い方をしてて。misakiにも「多彩だね~」って言ったんだけど。そんなに大人っぽいっていう感じでもないし、これは表現として適切かどうかわからないけど、JUDY AND MARYのYUKIちゃんみたいな雰囲気で歌ってるっていうか。そのへんも凄く面白かったですね。
--また、不勉強で申し訳ないんですけど、rem time rem timeはこのコンピで初めてバンド名を知りました。
Jun Gray Kenco Yokoyamaは置いといて、SCOTLAND GIRLも含めて、ガールズヴォーカルで6バンドにしようと考えてた去年の夏ぐらい、5バンドまでは決まったけど、残りの1バンドが見つからなくて。で、オレは家が近いのもあって、たまに知り合いのバンドが出ると八王子RIPSや八王子Match Voxへ遊びに行くんですよ。そこで、八王子を拠点にしてるPOETASTERってバンドのTakahashi(Vo./G.)に「何かガールズヴォーカルでいいバンドはいないかな?」って尋ねたら、「活動休止しちゃったんですけど、前だったらAntiQuesといういいバンドがいたんですけどね」って言われて、その場でMVを観せてもらったら、これがいい声してたんですよ。気になったから、AntiQuesのヴォーカルの子の連絡先を教えてもらってコンタクトをとってみたら、ひとりで弾き語りはやってて。それを観に行ったら、歌の説得力もあるし、惹き込まれる声をしてる。で、「バンドはやらないの?」って訊いたら「またバンドをやろうと動いてます」って言ってて、それが形になったのがこのrem time rem timeなんです。
--となると、rem time rem timeはバンドとしてスタートする前から出会ってるんですね。
Jun Gray そうですね。音楽性に関しても「前にやってたAntiQuesと近いけど、もっとエモのテイストが入ってくる感じになると思います」と聞いて、期待して待ってたら凄くいいバンドが動き出したっていう。ホントに実績は何もないんですけど。
--結成から1年ちょっと、現体制になって半年というまっさらなバンドですよね。
Jun Gray まだ若いし、キチッとした形で音源を作ったことがない子たちだと思うんです。ただ、最初のデモCDを聴かせてもらったときから、すげえポテンシャルを感じて。実際、知名度があるわけじゃない。今、完全に自主で『ねむるまち』っていうミニアルバムみたいなのを作って、そのレコ発はそこそこ盛り上がったみたいですけど、オレが何回か観に行ったライヴだと、バンド数がたくさんいるイベントでお客さんは30~50人ぐらい。でも、ヤツらにしてはそれが普通なんで、そういった状況でも全力投球でライヴをやってる姿がまたカッコよくて。そういうところが、オレもリスペクトしちゃうっていうか。
--キャリアを重ねると、リアクション前提なライヴに陥ることもあるでしょうし。
Jun Gray よくないことだけど、実際にそういうのもあるじゃないですか。そんなのお構いなしに「まずは自分らがこのステージを楽しむんだ」っていうのが凄く伝わってきたんですよね。
--収録された曲を聴いてもライヴが凄く気になりますよ。
Jun Gray カッコいいですよ。おとなしい部分は淡々とやりつつ、ガーッといくところは爆発してて。ギタリストが2人、ヴォーカルの子もギターを弾くから、ガツンといくときは3本で鳴らせるし、音源と遜色ないことを表現できる。歌も強いから、ライヴでヴォーカルが弱いなんてこともないんです。期待してますね。今の知名度がないだけに、どうなっていくのかなって。
--トリを飾るのは、前回に引き続き参加となったKenco Yokoyamaです。
Jun Gray まあ……Kenco Yokoyamaはオマケなんで(笑)。
--そう言われると質問に困ります(笑)。
Jun Gray 曲に関しては、BBQ CHICKENSでもカバーしてる「If The Kids Are United」で、これをKen Bandバージョンでやりたいって健が言ってて。好きな曲だし、仕上がりもいいと思うんですけど……こういったインタビューで話せるのはその程度しかなくて(笑)。
--こういった取材をさせていただく場合、収録バンドについてのプロフィールが記載された紙資料をレーベルからいただくんです。でも、Kenco Yokoyamaのところは他のバンドと違ってプロフィールがもはや省略されてますからね(笑)。
Jun Gray あっ、ひでえな(笑)。
--この「おわかりですよね?」っていう投げかけがたまらなかったです(笑)。
Jun Gray でも、レコーディングよりアー写撮影の方が力が入ってたような気もするし(笑)。結構、時間もかけましたからね。ウチら3人は前回と同じ芸風でいった方がいいだろうってことにすぐなったけど、まっちゃん(松浦英治:Dr.)はそれじゃ面白くないなって、リハが終わった後、そのままスタジオのロビーで相当ミーティングしたんじゃないかな。結果、ガールズバンドっていう雰囲気で撮ったはずですけど、よく観てみると「これ、バンドじゃねえな」っていう。だって、スラッシュに群がるグルーピーみたいな感じでしょ?(笑)
--ハハハハ(笑)。何とも言い難い面白さがにじみ出てますよ。
Jun Gray 面白いですよね。「何だろう、これ?」って感じだし。それこそ、まっちゃんはギター持ってるけどドラマーですからね(笑)。
--松浦さん、右手にギターで左手にジャックダニエルを持ってますね(笑)。
Jun Gray この撮影のときも、ウチらはパッと着替えて終わりだったけど、まっちゃんはめっちゃ時間がかかってて、なかなか来ない。で、やっと完成したと思ったら、「スラッシュさん、入りま~す!」ってスタッフの声が聞こえてくる(笑)。おかしかったな~。
--ただ、Kenco Yokoyamaも含めて、6バンド6通りな感じになってるところもありますし、バランスとしても良かったんじゃないかなと。
Jun Gray ただ、これをやっちゃったんで、1年後なのか2年後なのかわからないけど、第3弾をやるとしたら、またKenco Yokoyamaが必要なんじゃないかなっていう(笑)。
--たしかに、連続で収録されてますから、次に外すと何だか不自然な気はします。
Jun Gray 今回なければ、そうやってちゃんと進んでくんだろうなって思ってもらえたはずなのに、やっちゃったからお約束になりそうだなと。実際、ウチらも曲じゃなくて、次はまっちゃんをどういう格好にするか話してますけどね(笑)。
--ハハハハ(笑)。しかしながら、いろんな角度から興味を持ってもらえそうなコンピだと思います。
Jun Gray Xero FictionからSpecialThanksとかも自然に聴けちゃいますからね。
--それこそ、その2バンドは同じ愛知県を拠点としてますし。
Jun Gray あっ、たしかにそうですね。でも、会ったこともないと思いますよ。いるシーンが全然違うから。ただ、音としてはまったくリンクしないわけでもないし。それに、こういうコンピを気にしてくれる人って、メロディックパンクだけが好きなわけじゃなかったりするじゃないですか。新しいバンドを伝えると、ちゃんと受け止めてくれるんです。この間、ちょうどコンピのニュースがあったときかな、rem time rem timeとXero FictionのMVをオレのTwitterで紹介してみたんです。そうしたら、そもそも3000回とか5000回だった再生数が1日か2日で1000回とか一気に伸びて。「知らなかったけど、どハマりしました!」って言ってくれる子もいたりして、これはやり甲斐があるなって感じたんです。
--Junさんご自身が様々な分野へアンテナを伸ばしてるからでしょうけど、聴く人によっていろんな行き来がありそうですね。このコンピをキッカケにして、メロディックパンクだけじゃなく、エモやニューウェーブを掘り下げたくなる人も出てくるでしょうし。
Jun Gray 前回も思ったんですけど、Jun Gray RecordsはPIZZAの中でやってるレーベルじゃないですか。加えて、Ken Bandの人がやってるから、という印象もあるだろうけど、メロディックパンクだけみたいなイメージがつくのも嫌だなって考えてて。それもあって、前回はtricotとかに入ってもらったんですよね。だから、今回もメロディックパンクで固めることはしたくなかったし。それこそ、今後レーベルとして単独作をリリースしていく上でも、極端なジャンルはわからないけど、凄く広い感じで考えてるんです。
--ガールズヴォーカルというコンセプトはありつつも、レーベルとして何かに特化することなく、幅広い視野でリリースをしていきたいという。
Jun Gray 何かがはっきりと決まってるわけじゃないけど、そうやっていきたいと思ってますよ。
--また、6月8日に新代田FEVER、6月18日に名古屋R.A.D、6月19日に大阪Pangeaという東名阪でレコ発も予定されてますね。
Jun Gray Kenco Yokoyamaは置いといて、他の5バンドが勢揃いできればよかったんですけど、Dizzy SunfistとSpecialThanksがツアー中ということもあって、UNLIMITS、Xero Fiction、rem time rem timeが3ヶ所とも参加。それに加えて、東京はDizzy Sunfist、名古屋と大阪はSpecialThanksが出てくれます。それぞれ4バンド予定ですね。
--しっかりと動いてるからこそ、スケジュールは難しいですからね。ただ、逆に考えれば、各地でDizzy SunfistやSpecilaThanksを観れる機会があるということにもなりますし。コンピのレコ発という点ではもちろん残念ですけど。
Jun Gray 言われてみれば、そういう考え方もできますね。最初の方にも話したけど、基本的にリリース云々だけじゃなく、入れてるバンドはコンスタントに動いてないと嫌だっていうのもあるし。カッコいい音源を出してるんだけど、あんまりライヴをやってないバンドじゃ困るから。
--ただ、数は少なくとも、ライヴを共にするとお互いにツアーやイベントで声をかけるような関係性になりやすいと思います。
Jun Gray 前回だとUNLIMITSとFLiPが仲良くなったりしたし。それと、rem time rem timeのヴォーカルの初鹿って子は、ちょっとだけらしいけど、UNLIMITSのカバーバンドをやったことがあるみたいで。「一緒にライヴでまわるのが夢みたい」って言ってたりもするんです。こうやって集まったとき、バンド同士でまた繋がってくれたら嬉しいなとも思ってますよ。
Interview By ヤコウリュウジ
--レーベルがスタートして2年ほど経ち、これまでコンピを1枚、UNLIMITSのフルアルバムとDVDを1枚ずつ、SCOTLAND GIRLのフルアルバムを1枚とリリースしてきましたが、それ以前と比べて何がバンドを観るときの見方が変わってきたようなところはありますか?
Jun Gray もともとガールズヴォーカルは好きだったから、観に行ったイベントでそういうバンドがいたら「おっ、いいね!」みたいな程度だったけど、レーベルをやるようになってからはそれに加えて、「リリースできたりするのかな?」っていう見方はしてるかも。ただ、ライヴよりもYouTubeとかの方がそういうのは強いかな。自分的にどストライクだったりすると、レーベルに所属してるのかどうか気になったりするし。
--しかしながら、レーベルを始められる前はガールズヴォーカルが好きだということは意識されてなかったんですよね。
Jun Gray そうなんですよね。好きだとは思ってたけど、それこそKen Bandのメンバーとかも同じように聴いてるんじゃねえかなと。でも、改めてそう言われたとき、パンクとかに限らず、アメリカやイギリスのポップスでも昔からガールズヴォーカルは好きだなと感じて。
--ちなみに、どこに注目をされますか? それこそ、今回のコンピの収録バンドもかなりバラエティに富んでるじゃないですか。
Jun Gray 自分がKen Bandをやってるから、メロディックパンクに近いモノは判断しやすいっていうか。単純に「これは光るモノを持ってるな」とか「頑張ってるけど、もう少しかな」みたく、肌感覚でわかるところもあったりするし。それ以外の分野だと、声質とか曲の持ってる雰囲気になるのかな。ただ、広く浅くかもしれないけど、いろんな音楽は聴くんで、自分の得意じゃないようなジャンルでもインスピレーションが湧くこともあって。例えば、今回収録したrem time rem timeはエモっぽいんだけど、オレもマイ・ブラッディ・ヴァレンタインを好きでよく聴いてたし。
--ルーツを辿っていくと重なる部分は多いでしょうからね。
Jun Gray そうですね。ただ、個人的に好きでも明らかにそぐわないというか、それこそR&Bみたいなアーティストをカッコいいと思って、「レーベルに所属してないけど、どうですか?」って言われたとき、「Jun Gray Recordsとして出せるのかな?」とは思うかも。そういう機会があったわけじゃないけど、そうなるような気はしますね。
--では、今回のコンピについてお伺いさせていただきますが、リリースするキッカケは何かあったんですか?
Jun Gray 単純に前回の『And Your Birds Can Sing』をリリースしてから時間も経ってたし、時期的にやりたいなと思ったんです。それが去年の春ぐらいかな。PIZZAのスタッフも賛成してくれて、そこからバンドを探し始めて。ウチにはUNLIMITSとSCOTLAND GIRLがいるから、その2バンドは入れて、残りをどうしようかなっていう。
--前回に引き続き、今回も6バンドですが、コンピだとショウケース的にたくさんのバンドを収録する場合もありますよね。
Jun Gray 前回がどうなってああいう形になったのを忘れてるところもあるんですけど(笑)、今回も同じぐらいがいいかなとは思ってて。10バンドとかになると、オレも見つけるのがたいへんだし、聴いた人の印象としても割れるっていうか、インパクトとしてどうなのかなって。
--たしかに、埋もれるといいますか、散漫な印象になる可能性もあるでしょうし。
Jun Gray だから、これぐらいのボリュームの方がちゃんとバンドをアピールできるんじゃないかなと考えましたね。
--収録バンドは順調に出揃ったんですか?
Jun Gray 全部揃ったのは秋口ぐらいかな。で、その時点ではSCOTLAND GIRLは入ってて、むしろKenco Yokoyamaがなかったんですよ。今回は生粋のガールズヴォーカルを6バンド集めて作りたいと構想してたから。でも、コンピのミーティングをしてたときに、たまたま(横山)健がそこに入ってきて、「なんでKenco Yokoyamaはないの?」って言い出して(笑)。オレは「いや、ないよ!」って言ったけど、健はやりたがるし、PIZZAのスタッフの後押しもあって、「じゃあ、Kenco Yokoyamaも入れるか」っていう。
--健さんはどうしてやりたいと思ったんでしょうね。
Jun Gray 正直、オレもわかんない(笑)。
--ハハハハ(笑)。となると、最初は7バンドを収録する予定だったんですか?
Jun Gray そうなんですよ。でも、SCOTLAND GIRLが(4月23日のライヴをもって)活動休止することになって。ヤツらはこのコンピに入るつもりで新曲も作ってたんですけど、「こうなった以上、入れるわけにはいかないよ」ってオレも伝えて。先がどうなるのかわからないのに入れるのもおかしい話だし。で、前回と同様に6バンドになったんですよね。
--レーベルとして、活動は止まってしまうけれど、せっかくだから収録したいという選択肢はありませんでしたか?
Jun Gray やっぱり、こういうコンピをキッカケにライヴへ足を運んでもらいたいっていうのがあるんです。音だけで終わりにして欲しくない。「他の曲はどうなんだろう?」って気になって、ライヴを観て欲しいし。
--そういった考えが根底にあるからこそ、収録しないという決断だったんですね。
Jun Gray 今回、知名度があるバンドも入ってますけど、ど新人のバンドなんか、ライヴを観に行っても現状お客さんがついてなくて。50人も入らないようなライヴを常にやってるんです。でも、これって知らないから観ようともされないんだろうなと思ってて。1曲だけでも入れて、広める作業をしてあげたら、少しはお客さんが来てくれるんじゃないかなっていう想いがあるし。
--こういったコンピはいいキッカケになる場合が多いですからね。
Jun Gray 自分がそうだったんですよ。海外のアーティストは簡単にライヴが観れるわけじゃないけど、コンピの1曲で知って、アルバムを買ってみたりしたし。そういう入り口みたくなればなって。
--では、せっかくの機会ですし、収録バンドをそれぞれ紹介していただきたいと思います。収録順にお訊きしますが、まずはDizzy Sunfistについて。
Jun Gray Dizzy Sunfistはね、オレがKen Bandに入ったころだから、7年ぐらい前から知ってるんですよ。いつも大阪へライヴに行くと、あやぺた(Vo./G.)をRAZORS EDGEのTAKA(G.)が連れてきてて。で、しょっちゅう「デモができたから聴いてください!」ってもらってたし。最初の印象としては、もうちょっとハードっていうか、RAZORS EDGEの女の子版みたいな。最初からカッコいいとは感じてて、それこそ前回のコンピのときも入れようっていう案があったぐらい。タイミングの兼ね合いもあってそのときは見送ったんですけど。結果的に、この2年の間でDizzy Sunfistもどんどん大きくなっていったから、こうやって入ってもらえたのはありがたいですね。
--2年越しの収録という。Junさんが感じるDizzy Sunfistの良さとは?
Jun Gray 曲がどんどん良くなってますよね。最初の荒削りな部分もそれはそれでカッコよかったんだけど、彼女たちはメロディックが好きでたくさん聴いてるだろうし、そういうのを上手く消化できるようになって、クオリティが上がってきたんだろうなって。そういえば、彼女たちは3月にニューアルバム『Dizzy Beats』が出たばっかりだから、レコーディング時期も当然かぶってたと思うんです。ただ、コンピは4月に発売だから曲をかぶらないようにして欲しいというお願いをしたら、快く了解してくれて、なおかつ、これだけカッコいい曲を提供してくれたわけで。最高っすよね。
--そして、所属バンドであり、前回に引き続き参加のUNLIMITS。
Jun Gray UNLIMITSはね、ウチでフルアルバムも出してるし、看板バンドではあるんですけど。ただ、また1曲目に持ってくるのもいやらしい話だなと思って(笑)。
--まあ、そう思われるかもしれないですけど(笑)。
Jun Gray で、トップバッターはDizzy Sunfistに飾ってもらったんですけど、それによって、流れ的にUNLIMITSがより大人のお姉さんみたいに聴こえてきて。今回の曲が、ちょっときわどい歌詞というか、面白いところへ突っ込んでる感じだったりもするし、これはいいなと。
--UNLIMITSって、いろんなカラーの曲があるバンドじゃないですか。Junさんから何かリクエストみたいなことはしたんですか?
Jun Gray ヤツら、フルアルバムに向けて曲作りもしてるから、バンドの中には何曲か候補があったのかもしれないですけど、特にオレから指定はしてないですね。で、「この曲でどうですか?」って聴かされて、曲調だけでいうといわゆるUNLIMITS節っぽいところがありつつ、繰り返しになるけど、歌詞がまた違った今までと違った部分があって。郡ちゃん(郡島:Dr./Vo.)の歌詞なんですけど、大人の女じゃないと書けないよっていう。
--これまでの郡島さんの歌詞って、ファンタジー的なイメージが強かったかもしれません。
Jun Gray たしかにそうですね。でも、今回の歌詞もいいし、これから先もオレはこういうアプローチが増えていっていいんじゃないかとも感じてて。
--年輪を重ねた分の想いをこめた歌詞があっていいだろうという。しかしながら、収録曲に関して、淡い投げかけぐらいはしてるのかと思ってました。
Jun Gray あったとすれば、Dizzy Sunfistに「いつも曲が短くて勿体ないから、5分を越えるバラードでもいよ」ってことぐらいは言ったかな(笑)。あと、Dizzy SunfistとUNLIMITSとSpecialThanksの3バンドとも2ビート押しになるのはどうかなって考えたから、misaki(SpecialThanks:Vo./G.)に探りは入れたりして。そうしたら、「そうじゃないのを考えてます」って言ってたから「全然そのまま進めて」っていう。でも、それぐらいでしたね。
--また、Xero Fictionですが、このコンピで初めて聴く人も多いかもしれません。
Jun Gray 3年前ぐらいかな、Ken Bandで名古屋へ行ったとき、NOT REBOUNDの片桐(Vo./Ba.)がGASOLINEっていうバンドもやってるコウイチロウ(G.)を連れてきたんです。で、いつもそうなんだけど、そのときもコウイチロウは酔っ払ってて。正直、「なんだ、この輩は!?」ってぐらい第一印象は良くなかった(笑)。その後、違うバンドもやってるから音源を聴いて欲しいって言われて、感想をメールで何回かやり取りしたんです。ちょうどレーベルを始めたぐらいのときだったかな。しかも、コウイチロウはメールや電話だとキチッとした対応ができるんですよ(笑)。
--酔っ払った状態ではないと(笑)。
Jun Gray そうそう(笑)。だんだんと「かわいいヤツだな」って思うようにもなり、音自体もいい感じだったし、ずっと頭の片隅にはいる存在だったんです。で、今回のコンピのメンツを考えたとき、「そういや、アイツのバンドがあったな」って思い出して。ヤツら、音はポップなんだけど、ぶっちゃけハードコアパンクのシーンでやってるから、オレのところでやってみたい気持ちがあるかわからなかったけど、連絡をしてみたら「すげえやりたいです!」って言ってくれたんですよね。
--繋がりから考えればJunさんらしいと思ったんですが、意外なセレクトでした。
Jun Gray アイツらも、特にコウイチロウがパンクスだったりするけど、オレはオレでもともとハードコア畑の人間だっていうのも知っててくれて。そういうのもあり、オレとだったら安心してやれるっていうのもあったみたいですね。
--コンピとしても、面白い違和感となっていて、いいフックだと感じました。
Jun Gray 80年前後ぐらいの初期パンクからニューウェーブのところが好きみたいで、そういうテイストも入ってるから、オレが聴くと懐かしさもあるんだけど、若いヤツらなんかはそれを新鮮だと感じるのかなって。
--実際、こういったニューウェーブ感があるガールズヴォーカルっていないですから、そうだと思いますよ。
Jun Gray だとしたら、面白いですよね。コイツらも、言っちゃ悪いけど、もともとの繋がりのあるハードコアなバンドとばかり対バンしてて。オレとしては、もうちょっと違うところに引っ張ってあげたい気持ちがあるんです。もっと食いつく人が他のシーンにもいるだろうし。あとは、あんまり酔っ払い過ぎるなよっていう(笑)。
--お酒だけには気をつけて欲しいですね(笑)。
Jun Gray せっかくの出会いをふいにする可能性もあるから、そのへんはオレが教育します(笑)。
Interview By ヤコウリュウジ
Vol.02 へ続く