辻友貴(cinema staff / peeling wards / LIKE A FOOL RECORDS)
石島直和(UNLIMITS)
大月義隆(UNLIMITS)
郡島 陽子(UNLIMITS)
稲村太佑(アルカラ)
森田大地(O-Crest/GRIOTTO)
室 清登(元O-Crest店長/MURO FESTIVAL)
OTB(atrium)
英樹(akutagawa)
村上 学(theorem)
あき(WESN)
すあま(Mrs.WiENER)
上原 浩樹(Sentimental boys)
Naoya(at Anytime)
うね(SUNNY CAR WASH)
知弥(DETOX)
-- 初めての正式リリースということもありますし、まずは結成の流れを教えていただけますか?
鈴木嵩明(G.) そもそもだと、はっち(初鹿)はAntiQuesが活動休止した後にひとりで弾き語りをやってたんですけど、それをずっと勿体ないなと思ってて。AntiQuesとはずっと切磋琢磨してきた仲だったし「オレはもうひとつバンドをやってるけど、合間でいいなら一緒にやらない?」と声をかけたんです。あと、それと同じ時期にはっちとモリ(香森快)が一緒にバンドをやろうという話もしてて。だったら、3人でやろうということになり、rem time rem time(以下、レムタイム)を結成しました。それが、2014年の後半だったと思います。だから、その流れでトリプルギターという編成にもなって。
-- 他のメンバーに関しては、どういった繋がりが?
初鹿利佳(Vo./G.) 初代ベーシストの高島安徳は八王子RIPSで働いてたんです。私も当時は八王子Match Voxで働いてたのもあって、出してる音は知らないけど、面白いヤツだから一緒にやりたいなと思って誘いました。
鈴木 そういうスタンスで「入れていい?」って言われて、オレも「いいよ」って答えたんですけど(笑)。
-- 音を知らないで誘うというのは珍しいですよね。
初鹿 あと、高島が高校生か大学生のとき、実は出会ってたというのもあって。AntiQuesでツアーへ行ったとき、地元バンドとして高島が出てたみたいで。だから、高島が八王子RIPSに入って来た時に連絡先を交換しようとしたら、すでに登録されてたんですよ(笑)。そんなこともあり、「これは何かあるな」と。
Jun Gray 縁を感じたのか(笑)。
初鹿 はい(笑)。
-- 何か音楽的なイメージはありましたか?
初鹿 やりたい音楽は決まってましたね。もともとうり坊(鈴木)がやってたエモや激情ハードコアに私の歌を乗せる。そういうバンドはあんまりいないと思ってたし、ギターが3人いるのも逆に面白いなと感じて、5人編成でやったらいいなと考えてましたね。
-- トライしたい音楽性はありつつも、それをどうやって形作るのかはノリみたいなところも?
初鹿 最初はいろいろやってましたね。私がピンヴォーカルスタイルで鉄琴を叩いてたこともあったり(笑)。
鈴木 まあ、迷走期ですよね(笑)。それで、はっちが「ピンヴォーカルは無理!」って言い出して、本格的にギターを3人でやることに決めて。ただ、ドラムが結構見つからなくて、いろんな人と合わせながら、曲も作りつつみたいな感じでした。
-- そういった段階からJunさんとは関わりがあったんですよね。
Jun Gray まだレムタイムでそんなにライヴをやってないぐらいの時期だったよね?
初鹿 そうでしたね。
Jun Gray 順を追って話すと、POETASTERの高橋(大樹:Vo./G.)に「いいバンドいないか?」って聞いたときに「解散しちゃってるんですけど」と教えてもらったのがAntiQues。で、ヴォーカルが弾き語りをやってるというから連絡先を教えてもらって、はっちとデート(笑)。
初鹿 ガストでした(笑)。
Jun Gray 2015年の頭ぐらいだったのかな。
-- それぐらいの時期から見守ってたと。
Jun Gray そうですね。そこからライヴもずっと観てきてるし。
-- Junさんはどこに興味を持たれたんですか?
Jun Gray まずは声ですよね。そこが衝撃で。あと、ジャンルとしてはオレがやってる専門分野とはまた違うんだけど、AntiQuesの「サーチライト」を聴いたとき、その歌詞の世界観に惹かれたんです。何て言うんだろうな、オレがやってるパンクロックって、多かれ少なかれ、ケツを蹴り上げるっていうか、そういう風に人を動かすようなことを言ってたりして。で、それについてきてくれるお客さんがいて、ライヴでもその勢いのまま盛り上がったりするみたいな。でも、世間には「すぐ動ける人もいるかもしれないけど、オレはそんな気分でもないし」みたいな人もたくさんいて。はっちの歌ってる世界観というのは、「いいじゃん、それで。ゆっくりいこうよ」みたいな感じがあって。
初鹿 以前から、そう言ってくれてますよね。
Jun Gray 元気がある人はパンクロックを聴いてさらに元気になれる。でも、ネガティブなわけじゃなくて、ゆっくり自分のペースで進みたい人もいて、そういうところに訴えかけるんじゃないかなって。
-- バンドの歩みのスピードが上がってきたタイミングはありましたか?
初鹿 ひとつは、Junさんからコンピ(V.A『And Your Birds Can Sing Ⅱ』)へ参加して欲しいっていう話をもらって、それはやっていこうというキッカケになりましたね。
鈴木 曲を作っていくうちに、みんながみんな「いいじゃん!」ってなってきて。もうちょっと本格的にやっていこうとなったぐらいの時期でもあったし。
Jun Gray 誘ったのは、はっちと出会って数ヶ月ぐらいのときかな。今のメンバーから考えると、はっちとうり坊しかいないし。ゆたた(大房雄太:Dr.)が入ったのって、いつだったっけ?
大房 僕は2015年10月が初ライヴでした。
Jun Gray あっ、そっか。その前から何回かライヴも観てるんだな。
初鹿 あと、『八王子NOW 2015』というオムニバスに参加して、そのツアーも大きかったです。
-- 2015年8月にリリースされた作品ですね。
初鹿 ライヴをレムタイムとしてやったとき、すっごく悔しかったんです。「もっとできるのにな」という気持ちが出てきて、ライヴをやるからにはちゃんとバンドをやりたいと感じたし。
鈴木 あのツアーは決定的だったかもしれないです。メンバーそれぞれがバンドをやってきたわけで、そのポテンシャルはあるはずなのに、最大限にできないことがちょいちょいあって。まあ、それまで活動ペースも緩やかであんまりスタジオにも入ってなかったし、そこは話し合いましたね。
初鹿 後輩バンドがどんどん良くなっていく中、悔しい気持ちがあって、秩父ladder ladderのライヴとかすっごい憶えてます。メンバーとケンカもしたし(笑)。
鈴木 ツアー中はいろいろありました。みんな、やってきた環境が違ったから、レムタイムとしてひとつになるのもたいへんだったし。
-- 育ってきたところの違いはどうしても出てきますよね。
鈴木 例えば、オレはスタジオライヴばっかりやってきて、それこそライヴハウスにはほとんど出てなかったんですよ。何だか、ライヴハウスにはしっくりこないところがあったから。でも、はっちはMatch Voxのスタッフでもあり、ライヴハウス側の人間。そのすり合わせでもケンカしたし、めちゃくちゃ怒られたりもして(笑)。
初鹿 うり坊には「対バンを観ろ!」とか「ちゃんと顔合わせも出ろ!」とか、めっちゃいいました。もちろん、うり坊もいろいろ考えた上での行動だったんでしょうけど。
-- でも、そうやってちゃんとケンカできるのはいいことだと思いますよ。
鈴木 はっちとは付き合いも長いんですよ。10年ぐらいかな。
初鹿 通ってた専門学校が一緒で、毎日のように集まって遊ぶ仲間内だったんです。
-- 『And Your Birds Can Sing Ⅱ』は新作にも収録した「遠くへ」で参加しました。
Jun Gray 参加の話をしたとき、もう「遠くへ」はすでにあったよね。オレも「この曲でいこうよ」って言ったはずだし。
初鹿 そうでしたね。
鈴木 結成当初の曲で、やりたかったことを最初に具現化できた曲だったと思います。
-- 新作の中でいちばん古い曲は「遠くへ」?
初鹿 「雨と金木犀」も古いんですけど、それより前か。
鈴木 いちばん古いと思います。レコーディングしたのは……ゆたたが入ってからだよね?
大房 そうでしたね。バンドを辞めて社会人へ移行しようとしてたところ、高島に凄い引き留められて(笑)。
鈴木 『八王子NOW 2015』のツアー中、これからライヴも増やしていきたいけど、当時のドラムが結構忙しいのもあって、脱退することになったんです。
大房 だから、そのツアーのファイナルからオレは叩いてるんですよね。
Jun Gray オレもドラムが抜けるって話を聞いて「どうするんだろう?」と思ったけど、すぐにゆたたが加入して。
大房 実はサポートとしても1回だけライヴをやってたり。
鈴木 あれ、そうだっけ?
大房 「風を待つ~♪」って歌う曲をやってましたよ。
鈴木 もう二度とやらない曲だ(笑)。
初鹿 あの曲はホントにダサかった(笑)。
-- ハハハハ(笑)。大房さんを誘った理由は何だったんですか?
初鹿 ……面白そうだったから(笑)
鈴木 コイツもまた別のシーンでバンドをやってたんですよ。
大房 それまでやってたのが、生楽器がドラムとギターしかなくて、あとはシンセサイザー3本っていう、Perfumeが壊れたみたいなバンドをやってました(笑)。
鈴木 もちろん、ドラムも上手かったし、違う要素があるから誘ったんです。そうしたら、二つ返事でOKしてくれて。
-- やっぱり、一緒に合わせて楽しそうな絵が浮かぶ人とやりたい。
初鹿 そうですね。楽しそうなヤツとやりたいというのがいちばんにあるし。みんなお酒を飲むのも好きだから、会うときは基本飲み会みたいなところもあるし、スタジオ前に磯丸水産とか行ったりとか(笑)。
Jun Gray 八王子のシーンがそういうヤツ、多いんじゃないの?(笑)
一同 ハハハハ(笑)。
鈴木 今日だって、スタジオの1Fに何人か寝てませんでした?
-- そういえば、2人ぐらいソファーで寝てましたね。
初鹿 あれ、前日の打ち上げからそのままで、二日酔いで死んでるんです(笑)。
Jun Gray そういう意味ではホントに不良! まあ、オレも飲むからいいんだけどさ(笑)。
-- 打ち上げすら減ってきたような話もよく聞きますけど、八王子はそういったノリが残ってるんですね。
初鹿 何かの打ち上げで、Junさんがめっちゃ飲まされたときありましたよね?
Jun Gray HACHIDORI(八王子で開催されるライヴサーキットイベント)のときかな? あれ、ひどかったよ。帰りはフラフラだったし(笑)。
初鹿 駅まで送っていったら、改札を通るときに「じゃあ、武道館で会おうな!」ってJunさんが言ってて。ウチらもいつかああやって言えたらカッコいいなって思いました。
Jun Gray でも、その帰り道に気持ち悪くてうなだれてたら「ちょっと!」って怒られて。オレ、コンビニの前に停まってる軽トラの荷台につかまっててさ(笑)。
一同 ハハハハ(笑)。
Jun Gray そういう感じなんだよね、八王子のシーンって。
-- 技術的なところは練習さえすればある程度クリアできるけど、楽しさを共有できるかどうかって、簡単じゃないですよね。
初鹿 技術は後からついてくるし、どうにかなるかなと。
鈴木 それはずっと言ってますね。
Jun Gray 長く(レムタイムを)観てて思うのは、メンバーチェンジは結構あるんだけど、それはバンドに対する想いが熱いからだと。バンドによっては、何となくできてればいいんじゃないかという判断をする人もいるだろうけど、そこをコイツらはちゃんとディスカッションしてるんだなって。妥協を許さないみたいな。
初鹿 やっぱり、気持ちの面で合わないと無理だなって思っちゃうんですよね。
-- バンドの流れを考えると、『And Your Birds Can Sing Ⅱ』がリリースされる1ヶ月前に自主音源『ねむるまち』を発表してますよね。
初鹿 だから、『ねむるまち』と「遠くへ」は一緒にレコーディングしてるんです。
大房 すっげえ急だったから、めちゃくちゃ練習した憶えがあります。
鈴木 レコーディングはちゃんと正式メンバーでやりたかったし、「ゆたたが後から入ったからって完成してる曲をただコピーするだけなのはちょっと違くね?」っていうのもあって。急ピッチで制作は進めました。
-- 名刺代わりとなる『ねむるまち』ができて、まだあまり関わりの少ないシーンからも注目される『And Your Birds Can Sing Ⅱ』に参加。いい刺激にもなり、打って出ようという気持ちにもなったのかなと想像します。
鈴木 めっちゃありました。それこそ、より届くようと考えて『ねむるまち』のリリースのタイミングも合わせましたから。
-- 実際の反響はいかがでしたか?
鈴木 それまでほぼ知名度ゼロのバンドだったから、そこで広まった感触がありました。最初は『ねむるまち』に持ち曲全部じゃなくて、はっちの弾き語りの曲を入れるっていうアイデアもあったんですけど、ちゃんとバンドとして名刺になる作品じゃないとダメだと考えたりもして。それを自分たちの手で広めていくのはまず必要なのかなと。そこからスタートしたかったんです。
Vol.02へ続く
Interview By ヤコウリュウジ
-- 2016年の後半にはフルアルバムへ向けて動き出しているんですよね。
鈴木 そうでしたね。
Jun Gray ベースの高島が年内までしかできないっていう話もあったけど、『And Your Birds Can Sing Ⅱ』をリリースした段階で「次はフルアルバムだね」っていう話はしてましたね。
-- メンバーチェンジは見えているけど、それでも大丈夫だと。
Jun Gray 活動が止まることはなさそうだと思いました。
初鹿 高島とは一緒にやっていきたかったんですけど、彼は八王子RIPSと西荻窪FLATという2つのライヴハウスで仕事をしてて。しかも、FLATはだいたい土日しか営業してないんです。これからバンドとしてはライヴを増やしていきたいし、土日のライヴも当然増える。彼は大切な場所だからFLATでの仕事も続けていきたいと考えてたから、そうなるとお互いにいい方向へ進めないっていう。だから、秋口からはいろんな人と合わせたりもしてて。
鈴木 メンバーチェンジがあるからといってライヴが減るのは嫌だったし、ライヴはバシバシ入れてましたね。
Jun Gray あと、レコーディングに関しても、それは高島がやるっていう話になってたから、作品自体は作れるっていう考えもあって。
-- とにかく、フルアルバムを見据えてたと。
初鹿 それで、夏ぐらいに3曲だけまずレコーディングしたんです。
Jun Gray あっ、そうだった。
初鹿 一気に全部録るのは時間もないし、先にやろうということになって。
大房 「pool」、「自分とジブン」、「いつか」の3曲でした。
鈴木 他の曲に関しては、まだしっかりとした形にもなってなかったし、ちゃんと完成してた曲を選んだんです。
-- では、順調なペースでやっていけたんですね。
Jun Gray 当初は、昨年3月にJun Gray RecordsからXero Fictionが2ndフルアルバム『I Feel Satisfaction』をリリースしたんですけど、レムタイムも同じぐらいの時期にフルアルバムを考えてたんです。だから、最終的な完パケは年内を予定。12月の頭になると作品の全貌も見えたし、またレコーディングも再開して。
大房 12月に入ってからは過密スケジュールでしたね。
鈴木 で、ドラムを録り終わって、ギターも入れ出して。
初鹿 8月から12月まで、5ヶ月連続でメンバーそれぞれが1本ずつ担当する、レムタイム企画のイベントをやってて、その最後の12月が私の担当だったんです。17日にそのイベントをやって、それからレコーディングだったんですけど、私がインフルエンザになってしまって。だから、日程を変更しなきゃいけなかったんですけど、18日からモリ(香森快)と連絡がとれなくなり。返事も全然ないし、「どうしたんだろう?」って。
Jun Gray モリのパートも半分しか録ってなかったよね。17日のライヴはオレも観に行ってて、「残りも頑張ってな」ってモリに話したし。
初鹿 残ってるのは、私の歌とモリのギターの半分でしたね。
-- バンド側の作業としては、かなり終わりが見えてる段階ですね。
初鹿 そうだったんですけど、モリと3日ぐらい連絡がとれなくなって。
鈴木 ようやく「ゴメン。寝込んでました」って21日に連絡がきたけど、「もう時間がないのもわかってるんだから、ちゃんとやってくれよ」ってオレもバーっと伝えて。そこで日程の調整はできたんです。
初鹿 私もモリに電話して、「インフルエンザかもしれないから、絶対に病院へ行って、その連絡を欲しい。あと、うり坊にもちゃんと謝りな」と。モリも「わかった」っていってくれたし、次の日はずっと連絡を待ってたんですけど、全然こなくて。嫌な予感もしたし、アイツは金もなかったから、「全部払ったる!」みたいな感じで2万円ぐらい握りしめてモリの家に行ったんですけど、鍵はかかってないし、めちゃくちゃ散らかってるし、誰もいない。
-- その状況は焦りますよね。
初鹿 それで「彼女の家にいるのかな?」と思って(彼女に)連絡をして、夜になって自宅へ戻って確認してもらったら「置き手紙だけある」と言われて……。
大房 オレもはっちさんと同じ時間帯で探してたんです。ただ、(モリが)やってるゲームのログイン履歴が21時ぐらいに残ってたんで、大丈夫かなと家に帰ろうとしたら「戻ってきてくれ」って連絡がきて。
Jun Gray それが12月22日の夜でしょ?
初鹿 そうでしたね。
鈴木 (22日の)朝3時とか4時にモリから電話はもらってたんです。ただ、さすがに寝てる時間だし、起きてから着信には気づいたけど、そのまま仕事へ行って。終わってから、たまたま八王子にいたんですけど、そういう状況になってると連絡がきてゆたたと2人で探しに行ったんですよね。で、朝まで探して、どこかへ行くんだったら地元の盛岡だろうと東京駅に向かって。
大房 始発から新幹線のホームを探して回ってました。ただ、全然見つからず。その後、モリの彼女を家まで送って、2人で車の中で寝てたんです。そうしたら、警察から連絡がきて。
-- 警察にも連絡をしてたんですね。
鈴木 もちろん、警察や家族にも全部連絡はしてました。
初鹿 捜索願は家族やそれに近い人じゃないと出せないのもあるし。
鈴木 その警察からの連絡というのが「見つかりました」ということだったんですけど、「よかったです。じゃあ、連絡をくれるように伝えてください」と言ったら「無事かどうかわからないんですよね」というフワッとした表現だったし、どういう状況なのかわからないからオレらは待つしかなくて。とりあえず、八王子へ向かったんですけど、その途中に(モリの)お母さんから「見つかりました。ありがとうございます」と電話がきたんですけど、電話口で泣いてたから「ケガでもしたんですか?」と聞いたら、亡くなったと言われて……もう、何とも言えなかったです。
初鹿 信じることができなかったし、今でもいる気がするんです。ただ、周りの人に伝えたとき、その人の表情で「やっぱり、死んだんだ」と感じて、それがいちばん辛かった。
鈴木 Junさんにもすぐ連絡しましたよね。
Jun Gray 23日の午前中だったよね。亡くなったモリって、第三者がレムタイムを観たときにいちばん社交的だし、そういう風に見えないヤツというか。だから、尚さら何とも言えない感じがして。後から話を聞くと、生活面とかいろんなところで問題を抱えてたのか、様々なことが重なっちゃったのかな。連絡をもらってずっと放心状態だったし、レコーディングも途中だったからそれもどうしようかと。メンバーもそうだったんだろうけど、いろんな想いが駆け巡って。
-- 実際、何かに対して、すぐ判断をできる状態ではないと思います。
初鹿 とりあえず、決まってた年末のライヴをキャンセルして。
Jun Gray 3本あったんだよね。でも、「当然そうなるよね」と。その後、ミーティングもしたけど、みんな放心状態だったし。
鈴木 先のことはまったく考えられなかったです。
Jun Gray いろいろ話したと思うけど、オレとしては「とにかく、待つよ」と伝えて。(作品も)このまま完成しないかもしれないし、新しいメンバーが入って完成するのかもしれない。ただ、それはみんなわからなかった。
初鹿 正解が何なのか、まったくわからなかったし。
Jun Gray でも、その1日か2日後に「飛ばしたうちの1本をやります」って連絡がメンバーからきて。
-- よく決断しましたね。
鈴木 吉祥寺WARPの店長であるレオナさんから「ちょっとでもお前らが(バンドを)やる可能性があるんだったら、すぐやれ。キャンセルをキャンセルしろ」って連絡がきて。たしかに、やるか、やらないかだったら、やるしかないわけで。「新しいギターだってすぐに見つかるわけないんだから、戻ってくるキッカケがわからなくなるぞ。だったら、やるという意思表示をした方がいい」と言われたのも大きかったです。
Jun Gray たしかに、あのライヴを4人で強行してやったのはデカかったよね、今になって思えば。
初鹿 あのライヴがなかったら、このバンドを続けてなかったと思います。
Jun Gray あれ、何日だったっけ?
初鹿 30日でした。Junさんも観に来てくれましたよね。
Jun Gray いろんな意味で凄いライヴだったと思うよ。レムタイムのサウンドって、ギターアンサンブルっていうか、うり坊とモリのギターがあって成立してるのが大きくて。それまでのライヴと比べれば出てる音があきらかに少ないわけだから、片方の羽をもぎ取られた鳥がもがいてるみたいな。でも、そのもがいてる姿が観てて切なくて。みんな、ボロボロ泣いてたよね。
初鹿 途中で自分が歌ってる言葉が自分に言われてるみたいに感じて、泣けてきました。(「たった一言で」の)「優しさだけじゃ守れない」と歌ったときにスイッチが入って、最後まで泣いてたし。ライヴを終えて楽屋まで戻ったとき、Junさんがいてくれて、そこでもワンワンに泣きましたね。
Jun Gray よくやったと思うよ。それに、ライヴをやることによってまだ保ててた部分もあったんじゃないかな。
鈴木 そうですね。あの1本があったから、年明け以降のライヴもキャンセルしなかったし。
-- 年内で高島さんの脱退は決まってたわけですけど、年明けからはサポートも交えて?
鈴木 高島はもともと辞めることが決まってたから、ベースをサポートしてくれる人はいたんです。ただ、メンバーとして考えれば2人がいなくなったわけで、尚さら止めてもよかったわけですけど。
-- その中でもやっていこうと決めた理由はどこにあったんでしょうか?
初鹿 モリがやりたかったこともやってあげたいというか。アイツと一緒に夢見てたこと、「もうちょっとでやれたじゃん!」って思うところがあって。だから、全部叶えたいなっていう。
大房 それに、それでバンドが止まるというのも違うというか……。ただ、あの1本がなかったら、やってなかったでしょうね。
初鹿 30日のライヴもたくさんの人が心配してくれて、余計にやらなきゃダメだなと思ったんです。八王子のみんなはホントに仲間っていう感じで、その人たちと一緒にやってきたっていう想いもあるし。これで止まっちゃったらレムタイムとして何もせずに終わっちゃうなと。メンバーが亡くなって終わっていったバンド、そんなの嫌じゃないですか。
-- 最後を悲しい感情で締めくくってしまうのは、それまでやってきたことを否定してしまうのかもしれません。
Jun Gray はっちの歌詞には「人生は楽しいことばかりじゃないんだけど、それをひとつひとつ乗り越えていこうや」みたいなところがベースにあるから、そういうことも乗り越えることによって、また表現の強さも増すと思ったし、乗り越えて欲しいなと。
-- 2017年に入ってからの活動はどうでした?
初鹿 周りも気軽にライヴを誘えないですよね。だから、最初のうちは本数も少なかったです。それで、レオナさんに相談したら「作品を出して、ツアーを回ればいいんじゃないか?」とアドバイスをもらい、そうやってみました。
-- それが9月にリリースした自主音源『プロローグ』。
鈴木 ホントは『プロローグ』に入ってる曲と今回の『エピソード』に収録した「yellow」以外の曲でフルアルバムを作ろうとしてたんです。だから、レーベルに理由を説明して承諾をもらい、『プロローグ』を発表しました。「バンドをやってるんだ」ということを示す為にライヴ会場限定にもして。
-- 自主音源のシングルでツアーが16本というのは、かなり多いと感じました。
初鹿 行けるところは行こうとしたんです。
大房 なるべく手で渡したかったし。
-- その時点で現体制のうち、4人が揃ってるんですか?
大房 その少し前から福田くんがサポートをしてくれてました。
福田 年が明けて、2月14日からサポートでしたね。
大房 ただ、予定が合わないところもあって。そういう場合は4人でライヴをしたり。バンドの動きを止めたくなかったんで。
-- 正式加入は7月1日でした。
福田 5月ぐらいから話し合ってて、正式加入したいと思ってたんですけど、6月にどうしても自分が出れないライヴがあったんです。だから、ちゃんと出れる7月からということにしたんですよ。
-- ちなみに、どういった繋がりがあったんですか?
鈴木 福田くんははっちがAntiQues時代によく対バンしていたバンドのメンバーだったんです。
初鹿 AntiQuesはもともと4人だったんです。そのときのギターがモリ。福田くんがやってたバンドとはツアーも回ったりもしてて。
鈴木 だから、モリのギターをわかる人だったし、「やって欲しい」と声をかけました。
-- バンドとしては止まることなく、仲間の力を借りながら、着実に流れを作っていき『プロローグ』を発表。そして、ツアーも行ったと。改めてお聞きしますが、新作は一昨年の年末にレコーディングしてたモノが大部分なんですよね。
鈴木 そうですね。ただ、『プロローグ』を出すにあたってそこから2曲使うから、フルアルバム用に新しい曲を作らないといけないというのがあって、それが「yellow」になります。
初鹿 ギターのRECに関しては、モリは5曲、福田くんが5曲の半分ずつですね。
鈴木 レコーディングを再開したのは5月で、まだ福田くんが正式加入前だったんですけど、とにかく完成させたい気持ちがあったし、「弾いて欲しい」という話をしたんです。
-- また、『プロローグ』のツアー中に田中さんが正式加入をしています。
鈴木 以前にベースを募集したとき、(田中)友彬がやりたいと言ってくれてたのをはっちが憶えてて。そのときは別のバンドを(田中は)やってたんですけど、5月ぐらいに解散してたこともあって、まずはサポートとしてお願いしたんですよね。
田中 それが『プロローグ』のツアーが始まるちょっと前でした。
鈴木 実際に合わせてみたら、凄くしっくりきて。メンバーのこともわかってるし、バチッとハマった感がありましたね。
Jun Gray 結果的に「yellow」も今の体制になってレコーディングできたから、凄く良かったなと。
初鹿 やっと(フルアルバムが)完成したという想いがあります。
Vol.03へ続く
Interview By ヤコウリュウジ
-- 1stフルアルバムとなれば、その時点での集大成となるのが一般的ですけど、今回の作品はまた違った意味合いがありますよね。
初鹿 もう、重みしかないですね。
Jun Gray 昨年3月にはリリースするっていう気持ちで作ってたわけだし。それがここまで伸びて、やっと発表できる。しかも、リリースできるかどうかもわからなかったわけで。もちろん、オレとしては待つつもりだったし、あそこまで(レコーディングが)進んでたから勿体ないというのもあったから。
-- この5人でイチから作ったモノではないというところで、これまでにケジメやケリをつけるみたいなことも?
初鹿 ケジメというか……タイトル通り、エピソードという感じです。いろんなモノがこめられていて。
鈴木 「yellow」はこの5人で作った曲だし、ケリをつけるっていうよりは、また新しくしたいっていうのはあったかもしれないです。
Jun Gray 『プロローグ』を作る時点でいってたよね、この5人で新曲を作って、1曲だけレコーディングしたいって。
鈴木 もちろん、これで完結するわけじゃなく、これからも続けていくんですけど。
Jun Gray このインタビューを読んで新作を聴いてくれると、さらにいろんなことを感じてもらえるだろうね。
-- 新作は様々なアレンジが施されてますが、歌を真ん中に置いてるのもあって、凄く聴きやすいですよね。エモというと、感情表現の手法として過度にザラつかせることもありますが、そういったアプローチに寄りかかってもいませんし。
鈴木 そこはめちゃくちゃ意識しました。それこそ、いわゆるエモのイメージのみでやってしまうのは嫌だったし、やっぱり面白いことしたいんです。ちゃんといいメロディーと歌があった上でバックのサウンドが鋭かったり、悲壮感がある。そこのバランスを曲作りでは第一に考えてますね。あと、いろんなことに挑戦できたのもよかったと思っていて。
初鹿 今回、四つ打ちの曲もありますからね。
-- 独特の浮遊感がある「empty」ですね。
鈴木 こういう四つ打ちの曲って、流行ってるからやってるみたいなことも多いじゃないですか。そういう考えも本当にクソダサいなって思ってて、でもだったら逆に、四つ打ちでもカッコいい曲を作ってやろうって思って。「オレらならできる」って確信していましたし。
-- 挑戦的でもあり、挑発的といってもいいかもしれない。
鈴木 そうですね。そういう部分もあると思います。
-- それこそ、作品の幕開けとなる「汽笛を鳴らして」はイントロが50秒もあるじゃないですか。最初に耳にする曲だし、普通だったら考えれないですよ(笑)。
一同 ハハハハ(笑)。
Jun Gray オレも「イントロ長くね?」って言ったことある(笑)。
初鹿 そうでしたね(笑)。
鈴木 天邪鬼なところがあるっていうか、「普通はやらないよね」っていうのをやってみたくなるんです(笑)。
Jun Gray はっちの歌はストレートなんだけど、サウンドはいわゆるストレートではないのかもしれない。聴いてると「考えてるな」って思うし。ギターだって、同じフレーズを重ねることはなくて、それぞれがずっと違うことをやってて。
-- 鈴木さんと福田さんのギターアンサンブルはレムタイムが持つ特長のひとつですね。
福田 ギターアレンジに関しては、ずっと(鈴木と)一緒にスタジオへ入って考えたりもしてます。
鈴木 そういったアプローチができるのも、はっちは何を持っていっても歌をちゃんとつけてくれるんです。そこに安心感もあって、信頼もある。結構エグいサウンドを作っても大丈夫というか。
-- 基本的にはサウンドを固めて、初鹿さんが歌を乗せるパターンが多いんですか?
初鹿 私が弾き語りで曲をバンドへ持っていくこともありますが、基本はそうですね。今回の曲だと、「yellow」のサビはめちゃくちゃ苦戦しました。
鈴木 Aメロ、Bメロは凄く良かったんです。ただ、サビがそれと比べたらちょっと弱くて。そこに対するジャッジはオレがすることが多いんですけど、何度も作り直してもらって。結果、(初鹿が)振り切れ過ぎちゃって、10パターンぐらい作ってきて「選べ!」と(笑)。
一同 ハハハハ(笑)。
鈴木 そこからいいフレーズを繋ぎ合わせて、今の形になりました。
大房 レコーディングの1週間前ぐらいでしたね、それ。
-- 「yellow」は2曲目に収録されてますが、1曲目の「汽笛を鳴らして」との繋がりを感じたんですが、そこに関しては?
大房 2曲目というより、後半に収録したくないなっていうのはありましたね。
-- 歌詞で同じく"朝"というところを取り上げてたり、「汽笛を鳴らして」は想いを振り切って踏み出すニュアンスがあり、「yellow」はそれでも抱えたい想いを抱きしめるようなことを感じたんです。
初鹿 あ~、なるほど。「汽笛を鳴らして」に関しては、八王子の仲間へ向けて書いたところがあって。だから、わりとバンド名や作品名に関する言葉が入ってるし、「これからやっていくぜ! みんなも元気でな!」という曲なんです。そこから「yellow」に繋がるのは、歌詞の内容というよりも全体の流れとして選んだというか。
鈴木 流れについては、音楽として何度もループして聴いても大丈夫なように考えました。それこそ、アルバムをずっと聴いてても飽きないようにと。
-- 「yellow」はMVにもなった曲ですね。
鈴木 この曲ができたときに「もう、これしかないね」となりました。
初鹿 この5人で作った曲というのが大きくて。
-- 今の5人で作り上げたというところで、この曲は音楽的な軸にもなるんでしょうか?
鈴木 この曲はモリ(香森)を意識したんです。だから、アイツが使ってたフレーズを散りばめたりもしてて。昔、ボツにした曲も全部聴き直して、そこからフレーズを拾ってきたりもしてるんですよ。作り始めた当初はリズムでいける曲というのをイメージしてたんですけど、そこへモリへの想いも乗せて、この形になってる。特に、ギターは当時のあいつと今の俺が合わさるように作ってますね。
-- となると、サウンド面として今の顔となるのはどの曲だと考えてますか?
鈴木 作品全体を通して、全方位にというイメージがあったんで、どれもがそうであるというか。「empty」みたいな四つ打ちもあれば、弾き語り調の「たった一言で」もあり、激しいアプローチもすれば、ゴリゴリのエモな「sleepy record」みたいなのもある。それぞれが軸になるように心掛けました。
Jun Gray 「yellow」ができる以前は、どの曲を打ち出すか凄く悩んだんですよ。
初鹿 あえて「たった一言で」も面白いだろうし、「汽笛を鳴らして」もいいし。「いつか」みたく、エモと歌が共存してる曲もいいかなと考えたり。凄く迷ってましたね。
鈴木 客観的な意見も欲しくて、いろんな人に相談したんですけど、みんなそれぞれ違う曲を挙げてきたりもして。
-- 『プロローグ』で披露した曲ではありますが、「pool」はグッと踏み込んだノリもあり、いいグラデーションを描いてる曲だなと感じました。
初鹿 ありがとうございます。「pool」を『プロローグ』に収録したいとレーベルのスタッフに相談したとき、「う~ん、先に出しちゃうのもったいなくない?」と言われたりもして(笑)。たしかにそれもそうだなと。
Jun Gray ただ、それでもフルアルバムへ収録するというのもあったし、どう考えてもリリース時期は夏にはならないし(笑)。そう考えたら、夏に出した『プロローグ』に入れるのもそれはそれでいいんじゃないかって。
初鹿 それに、新曲でpoolよりいいモノを作ればいいじゃんっていう勢いもありましたね(笑)。
-- これから先、バンドとしてやりたいことは変わっていくんでしょうか?
初鹿 絶対にそうだと思います。でも、結成当初に考えた芯の部分は変わらないというか。
鈴木 そうですね。はっちの歌が出るモノじゃないとダメだと思ってるし。めちゃくちゃなことをサウンドとしてやってたとしても、ちゃんと歌が際立ってるのが重要ですね。
-- 歌がしっかりしてるから、サウンド面はかなり攻めても大丈夫という。
鈴木 曲作りをしてて、「この曲、大丈夫かな?」と感じても、はっちはしっかり(歌を)乗せてきますから。
-- いちばん驚いた曲というと?
鈴木 「sleepy record」はそうだったかも。
大房 あっ、そうでしたね。
-- 『エピソード』の中でも少し異質な曲ですよね。サウンドに包み込まれるような歌が印象的でした。
鈴木 この曲はオレとモリで「こういうエモもやりたいんだよね」とずっと作ってた曲なんです。ただ、さすがに日本語の良いメロディーを乗せるのは厳しいかなと思ってたんですが、はっちに渡したらすぐに歌を乗せてきて。驚きましたね。
-- 作品を締めくくる雰囲気もある曲だと感じました。
大房 最後に収録する曲として作ったわけじゃなかったんですが、完成したときは「完全に最後だね」とはなりました。
鈴木 あと、「いつか」もそういうところがあって。American FootballやMineral、Empire! Empire! (I Was a Lonely Estate)みたいなことをやってみたくて作ったんですけど、歌が乗るのかどうか不安なところもあり。でも、すげえいい歌を乗せてきて。
-- 「いつか」のクライマックスで歌い上げるところは、楽器隊の躍動も含めて、ライヴが楽しみです。
初鹿 凄くライヴでも楽しい曲ですね、「いつか」は。
大房 どんどんグワーッとアガっていくし。
鈴木 もちろん、バランスは考えるんですけど、ホントにちゃんと歌を乗せてくれるから信頼してますね。
-- リリースツアーはどういった予定になってますか?
初鹿 3月2日に下北沢SHELTERで初日を迎えて、7月6日新代田FEVERがファイナルです。
-- 普通は新曲を引っさげていくのがリリースツアーですけど、今回は立ち位置が少し違いますよね。
初鹿 そうですね。ただ、それもタイトルにつながるというか、全国各地でいろんなエピソードがあるんです。例えば、モリが仲良くしてた人がいたり、「やっと出せるんだね。協力するよ」といってくれる人がいたり、それを踏まえてツアーを組んだところもあって。
鈴木 みんなが協力してくれてやれるツアーかもしれないです。
-- この5人でまわるツアーとしては初めて?
田中 僕は『プロローグ』のツアーも途中から参加だったので、最初から最後までまわるツアーとしてはそうなりますね。
初鹿 いろんなことに『エピソード』っていうタイトルがバッチリで。『エンドロール』と名付けるアイデアもあったんですけど、それだと「終わっちゃうじゃん!」って(笑)。
田中 続けていくことを決めたバンドなのに、『エンドロール』というフルアルバムを出したら、終わっちゃいますよね(笑)。
-- このリリースツアーを終えたとき、また新しい1ページが始まるようなところも?
初鹿 新しいというよりは……続きっぽいような。新しいというと、何かが終わっちゃう気がするので。
鈴木 何かが終わったわけじゃないし、ずっと続いてるしね。
Jun Gray でも、ここ最近あったいろんなことをこの『エピソード』でケリをつけるじゃないけど、(田中)友彬も入ったばっかりだし、続いてく中で気分的には「この5人でまた作っていける」みたいなところはあるんじゃない?
初鹿 だから、始まりなのかな。何ていうんだろう……第2章的な。
Jun Gray 最初のころに話したけど、パンクロックはアゲてくようなことばっかりで転ぶことをあんまり大事にしないというか、「転んでなんかいられないじゃん!」って言っちゃったりするところもあって。レムタイムは「転ぶときは転ぶでしょ」というのがあるから、そこがいいんだと思うし。
鈴木 転び過ぎですけどね(笑)。
Jun Gray でも、そうやって生きてる人がたくさんいるしさ、それでいいんだよ。
-- いつの日か、希望だけに満ち溢れた曲を歌うこともあるんでしょうか?
初鹿 いや、私の性格上、それは無理ですね。だって、ウソになりますもん、そうなると。絶対に希望しかない人生なんて、ありえないと思っちゃうんで。
鈴木 最低限のルールとして、絶対にウソは書かないというのもあるし。
-- では、リリースツアーへ向けての意気込みを聞かせてください。
大房 このツアーではお世話になってきた人に会えるのも嬉しいんですけど、また新しい出会いがあったらいいなと思ってて。それがまたエピソードになっていけばいいなと考えてます。
田中 オレは最近バンドへ入ったのもあるし、まずはみんなに覚えてもらって。あとは、メンバーと(バンドを通じて)もっとわかり合いたいなと。
福田 昨年はバンド以外でも人と携わってきて、人の為に何かしたいという年だったんです。それがレムタイムに加入するキッカケにもなったし。曲としてもバンドとしても個人としても、レムタイムの曲って人の為に書いてあることが多いので、それが響くようなツアーにしたいと思います。
初鹿 とにかく、ライヴを観に来て欲しいんです。『エピソード』を聴いてライヴを観てらえれば、ウチらのことをだいたいはわかると思うし。ライヴハウスという場所に足を運んで欲しいですね。
鈴木 作品としてはなるべく伝わるように作ってあるけど、ライヴじゃないとわからないこともいっぱいあると思うんです。だから、まずは1回でいいからライヴへ来て欲しいです。
-- 実際、『エピソード』の大部分は1年ほど前にレコーディングしたわけですし、ライヴではそこからの成長も感じられるでしょうしね。
鈴木 間違いなく、そこはあると思ってます。
Jun Gray ライヴの熱量が凄いよね、レムタイムは。作品だとキレイにまとまってる部分もあるけど、いざライヴを観ると「こんなに激しいの!?」って言われるんじゃない?
鈴木 よく言われますね、それは。
Jun Gray もっともっとライヴバンドっていう印象を持ってもらいたいよね。
初鹿 やっぱり、バンドはライヴが良くないとどうにもならないと考えてますからね。
Interview By ヤコウリュウジ
タワーレコード八王子店、町田店、横浜ビブレ店、吉祥寺店、立川立飛店にて1/24発売(1/23入荷)rem time rem time 『エピソード』(PZCJ-8)をお買い上げいただいた方に(予約者優先)、先着順でサイン会参加券を差し上げます。サイン会参加券をお持ちの方は、ミニライブ終了後にサイン会にご参加いただけます。
※サインはCDにさせて頂きますので、当日忘れずにお持ち下さい。
タワーレコード八王子店: 0426-48-1031
ギターヴォーカルのはっちと出会ったのは約8年前、山梨のライブハウスで、まだはっちは別のバンドで、楽屋でなんか、バカみたいにふざけあってた記憶。(ちょんまげのかつらかぶっておもちゃの剣を振り合ってた?)
うり坊もその後すぐ出会って、バカみたいに朝まで一緒に飲んだ記憶。
長く続けてるとまたこうやって交差するタイミングがあるもんです。
海外バンドとツアー周ってまた一層パワーアップしたライブも観てみたいです。